2011年 1月 17日
たくさんの引き出し
昨年末80歳の誕生日を迎えた母へのプレゼントということで坂東玉三郎の特別講演の歌舞伎を観に行きました。チケットは即日完売というくらい、人気の舞台です。
私は小学校の頃、母に連れられて良く歌舞伎を観に行っていました。今の梅幸や団十郎が菊之助、新之助、そして辰之助の三之助と呼ばれていた時代です。
その後私は歌舞伎をあまり観に行かなくなりました。しかし、最近再び興味がわいてきました。
今日の公演は例の海老蔵さんの騒動を受けて、玉三郎さんが急遽舞台を引き受けたようです。
玉三郎さんの演技について私はとやかく言えるほど詳しくもありませんし、そんな立場にはありませんが、今日の玉三郎さんの役どころが素晴らしかったので、ブログに書いてみました。
お琴、お三味線、胡弓をさらりと弾きこなすのです。歌舞伎の女形のなかで、この役を出来るのは今は玉三郎さんしかいないとのこと。役者として、引き出しの多さに感心しました。
それから、新年の口上で言っていましたが、急遽引き受けた公演ですが、これまでに演劇で、今回の会場であるテアトル銀座で演じた経験が何度もあるので、舞台の広さや会場の様子が頭に入っていたとのこと。そこで会場のトータルなディスプレイもプロデュースしたと。
そういえば、館内にはお正月らしいまゆ玉の飾りもありましたし、獅子舞がロビーの観客の間を舞っていました。そのように来場者に楽しみをプロデュースする発想も素晴らしいと思いました。
また、最後の演目が終わり、幕が引かれましたが、観客の拍手に誘われるように再度幕が開き、再びお三味線や長唄が演奏され、、演者や役者が登場。まるで演劇やコンサートのカーテンコールのようでした。このような取り組みにも感激。観客を喜ばすことをご存知で・・・
円熟した玉三郎さんには、これまでの経験や努力から、たくさんの引き出しがあり、それを彼なりに組み合わせ、玉三郎ブランドを確立していらっしゃる、とそのように思いました。
素晴らしい・・・
私も引き出しを増やしていきたいと思いました。
あっ、それから今日の舞台で感心したもう一つ。
私のフラワーショップのオーナーさんの息子さんが、浄瑠璃をお仕事にしているのは伺っていたのですが、今日玉三郎さんとの舞台でメインの浄瑠璃太夫さんでした。声に伸びがあり、
素晴らしかったです。時々お花を買ってくれる若いパパなんですが、着物姿はりりしく、良いお仕事姿を拝見できました。