2012年 10月 02日
「雅とモダンデザインの出会い」展
アトリエオルタンシアを始めて25年目の今年、生徒さんと一緒に、記念の展示会を開きました。今私が感じている、現代に生きる日本人の感性を発信したいという思いから、18世紀から20世紀にかけての着物とコラボレーションしました。着物の柄からインスパイアされたフラワーアレンジメントをデザインしました。
ギャラリー5610は南青山にある、ハイセンスなギャラリーです。展示作品の審査もあります。トータルプロデュースを私が責任を持って行うことで、快くOKをいただきました。
27日朝9時から搬入と作成。一部は前日に作成してありました。車3往復で運び込みました。
19世紀の武家女性が来た小袖。着物を借景にして、滝の流れの模様を強調したアレンジを作成しました。白樺も添えて、北欧の野原のように見立てました。
涼しげな絽の着物。裾に秋草の刺繍。そこで、水辺の涼しげなアレンジにしました。思い切って白とグリーンだけ。
昭和初期の着物。柄にバラや鳥があり、アールヌーボー調。地模様はアールデコ調。
19世紀の松竹梅鶴亀柄の打掛。
竹を強調したアレンジメント。竹を千葉の茂原から調達し、竹林のように立てました。ギャラリーの中に異空間ができました。竹の隙間からのぞくことによる美しさを体感していただきました。これは日本の美学。
昨年、一人で京都を旅した時に、珍裂屋さんで出会った江戸中期の着物裂。武家女性の着物だったもの。それを知人の東口さんに軸にしていただき、かすかな風にも揺れる京都町屋の暖簾のような風情にしました。柄の藤にあわせて、藤蔓のリースを作り、紫色のらん、シャリーベイビーを差しました。
軸の後ろには、見えかくれするように置いた一輪挿し。直接見せない日本の美学。
19世紀の振袖。赤い力強さに負けない、ディスプレイ。テーブルランナーに使用したのは祖母の昼夜帯。リバーシブルになっています。
私が数年前に京都で見つけた江戸時代の大名が使っていたオランダからのテーブルクロス。ロイヤルコペンハーゲンの花瓶に花束風に。切子のグラスを添えて。
裏千家の先生をなさっている生徒さんにはお茶を生かしたアレンジメント。ロイヤルコペンハーゲンのティーポットに茶花風。
これも私が京都で見つけた19世紀の袱紗。イケアの額にいれたら、モダンになりました。
帯に合わせたデザイン。ガラス窓越しに外からも見られるデザインにしてあります。帯にリズムをつけてディスプレイしました。
初日のレセプションパーティには80名以上の方がお集まりくださいました。友人の植田明美さんが経営するありがとうカフェによる美味しいオードブルとワインで楽しいひと時となりました。心配していた雨、風もまったくなく、きれいな月が見えていました。本当に感動的な夜でした。
大勢の方々にご協力いただき、応援いただき、展示会は終了しました。本当に感謝です。
生徒さんとの記念写真もいい思い出です。
これからもオルタンシアとして、感性に訴える花を活けていきたいと思います。
ギャラりー5610のブログにも掲載してくださっています。