2012年 11月 17日
スウェーデン大使館での展示会
アトリエオルタンシア25周年の第2弾のイベントとして、「日本とスウェーデンをつなぐフラワーアレンジメント~着物文様とモダンデザインの融合~」展をスウェーデン大使館で行いました。お陰様で3日間で250名の方がご来場くださいました。ありがとうございます。
これまで私はフランスなどヨーロッパを度々旅することがありましたし、ホームステイなどもしました。その時はその国の文化に憧れ、傾倒もしましたが、外国の地いると、むしろ私の中の日本人の感性を感じる事がありました。日本の文化や美意識を見直すきっかっけともなりました。
しかし、文化というものは歴史を遡ってみてもわかりますが、いろいろな文化が融合し、変化しています。文化は変化するものだと思います。
東西、新旧というように相対するものが融合する時に新たな感動が生まれると思っています。
そこで、私が花の仕事を始めて25年の記念すべき2012年に、日本文化の象徴ともいえる着物の文様と、その対極にあるかと思われる北欧のモダンデザインを融合してみようと思いました。
大学の先輩でいらっしゃる都倉亮さんのお力添えで、スウェーデン大使館で展示会を行うことを今年の1月から企画、交渉してきました。なかなかすんなりとはいきませんでしたが、「諦めない生き方」の著者である都倉さんの粘りで、大使館の了解をいただき、むしろ好意的にバックアップしていただき展示会の運びとなりました。
多くの方に助けられ、守られていることを実感しました。
開催が決まってからは、天井が高く広い空間をいかに効果的に使い、魅力的に展示するかということを考えました。ジグソーパズルのパズルが埋まってい行くように、いろいろな方との出会いから、家具、陶器の協賛、竹やディスプレイ什器の手配、英語表記のための翻訳、レセプションのお料理やワインの手配・・・などなど、短期間に進んでいきました。
そして、搬入や搬出ではアトリエオルタンシアの生徒さんの自発的な協力も得られました。また、大使館の方々のご理解やご協力にも本当に感謝しております。
レセプションパーティではスウェーデン大使館公使のウルフ・ソールマルク氏ご夫妻がご臨席くださり、暖かなスピーチをしてくださいました。
文化交流は草の根レベルでも必要な事だと、背中を押していただけました。今後も空間装飾デザイナーとして、世界に発信し、文化交流の末端を担いたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
ソールマルク公使ご夫妻も展示を楽しんでくださいました。
着物柄を借景にして、スウェーデンのランドスケープをイメージしました。
テラスで景色を見ながらロッキングチェアに揺らせて本を読むようなイメージ。友人の塩島美弥さんのスウェーデン織のストールをチェアにそえました。
江戸時代の武家女性が着た着物の柄をこの季節の紅葉にあわせて。着物脇に置いたEAMSのワイヤーテーブルはかつて、チャップリンがお茶会で使用したとのことですので、、野点のシーンを演出。茶花風に生けた花瓶はスウェーデン作家のもの。
着物の文様のに合わせて、EAMSのパーティションを衝立、ベンチを縁台に見立てました。縁台で将棋でもしているようなイメージ。
松竹梅鶴亀文様のおめでたい婚礼の打掛。竹を強調したデザインにしました。日本人の美意識である、物を直視せず、竹林の隙間やすだれの間から見る感性。それを表現しました。竹は3メートル近くのものを千葉の茂原のNPO法人竹もりの里さんに運んできていただきました。
EAMSのビンテージテーブルは金箔。そこにスウェーデン王室御用達のリネン、それもロイヤルウェディングバージョンのランナーをひき、お重に花を生けました。
スウェーデンのガラスメーカーの星形のキャンドルホルダーがキラキラしています。かぐや姫のロイヤルウェディングともいえるでしょうか・・・
江戸の裕福な町人女性が着た、遊び心のある着物。紺地に赤、金、白。
ポップなシーンに仕上げました。金色の梅の樹の力強さを流木で協調。この流木はかつて大変な思いをして養老渓谷で拾ってきたもの。役に立ちました^^
スウェーデン織のタピスリーはスウェーデンに留学経験のある塩島美弥さんのものをお借りしました。その色合いに合わせて、ティーポットに花をいけました。イケアの子供用のチェアに、縮緬の風呂敷を添えて。
研ぎ澄まされたシンプルなデザインは日本の禅の心に通じます。
白と黒を基調に。花はチョコレートコスモス。炭を添えて。
昨年私が京都の珍裂屋さんで出会った江戸時代中期の着物裂を軸に仕立てて壁面にアクセント。藤の柄に合わせて、藤蔓を巻き、そこに蘭のシャリーベイビーをあしらいました。軸の下に生けた陶器はスウェーデン作家のもの。時空を超えた融合です。