2014年 9月 15日
花実相兼
会期終了間際に山種美術館の「水の音」展を観てきました。暑い夏の盛りに見るのが良かったのかもしれませんが、あの暑さの中、どうも足が向けられず・・・でも気になっていたので終了する前に行きました。
確かに観に行ってよかった。見応えのある日本画がたくさん。時代は浮世絵の広重から、現代の千住博さんまで水をテーマにした作品。
私は滝を描いた作品に惹かれました。奥村土牛の那智の「滝」や千住博さんの「ウォーターフォール」。千住博さんの作品は軽井沢の美術館でも拝見していますが、好きです。
絵具を流して滝を表現するという、その技法も画期的です。これまでに見慣れた彼の作品ですが、今回の展示作品の脇にあった解説文の中に、彼は紀貫之の言葉を引用していました。「花実相兼」
「何かを表現しようとした時、技法と内容が一致した時本当の芸術が生まれる」ということ。この言葉は私の心に刺さりました。
千住博さんの言葉には今までも感銘を受けることがあったのですが、この言葉は今の私にガツンときました。
パリのデザインのサイトに私のインタビュー記事がアップされていますが、そのインタビューで、「あなたにとってデザインとは?」という質問があり、私は「私は花や木の代弁者に過ぎないが、彼らをより輝かせることが私のデザインです」というようなことを答えました。表現方法と内容が一致した時に人に感動を与えられるのでしょうね。
精進します・・・