2013年 3月 26日
アーカイブ 「フラワーディスプレイ」
2013年 1月 17日
日産自動車賀詞交換会その2
かつて25年前くらいに日産自動車に勤めていました。週末はテニス部の仲間と楽しい時間も過ごしていました。そんな仲間の集まりが昨年夏にあり、久しぶりに会った、かつての仲間に「花の仕事をしているのなら、賀詞交換会の花を頼みますよ」と言っていただき、仲間のよしみでビッグなお仕事をさせていただきました。
昨年秋には会場の横浜本社のギャラリーの下見をし、「何しろ1000人くらいが集まるパーティなので、高さは3メートルくらいなくてはならない」ということになっていました。
デザインを考え、物理的に高さを出す工夫もしました。
いつもの店のワゴン車では材料、資材を積み込み切れないので、ハイエースをレンタカーしました。
いざ出陣!
いざ本番。
私たちも隅で控えていました。カルロス・ゴーン氏のご挨拶を一緒に聞かせていただきました。なんだか私も日産自動車の関係者の気持ちになってきちゃいました(笑)
あっという間のパーティでしたが、その後、お花を抜いて紙で包み、日産の方にさし上げました。そんな時「あっ、坪井さん!」なんて、旧姓で呼びかけてくれた、元同期の方もいて、なんだか嬉しいお仕事でした。
お土産に私たちまでいただいた、記念の升と干支の蛇の土鈴。
良い年になるといいな。
2012年 11月 17日
スウェーデン大使館での展示会
アトリエオルタンシア25周年の第2弾のイベントとして、「日本とスウェーデンをつなぐフラワーアレンジメント~着物文様とモダンデザインの融合~」展をスウェーデン大使館で行いました。お陰様で3日間で250名の方がご来場くださいました。ありがとうございます。
これまで私はフランスなどヨーロッパを度々旅することがありましたし、ホームステイなどもしました。その時はその国の文化に憧れ、傾倒もしましたが、外国の地いると、むしろ私の中の日本人の感性を感じる事がありました。日本の文化や美意識を見直すきっかっけともなりました。
しかし、文化というものは歴史を遡ってみてもわかりますが、いろいろな文化が融合し、変化しています。文化は変化するものだと思います。
東西、新旧というように相対するものが融合する時に新たな感動が生まれると思っています。
そこで、私が花の仕事を始めて25年の記念すべき2012年に、日本文化の象徴ともいえる着物の文様と、その対極にあるかと思われる北欧のモダンデザインを融合してみようと思いました。
大学の先輩でいらっしゃる都倉亮さんのお力添えで、スウェーデン大使館で展示会を行うことを今年の1月から企画、交渉してきました。なかなかすんなりとはいきませんでしたが、「諦めない生き方」の著者である都倉さんの粘りで、大使館の了解をいただき、むしろ好意的にバックアップしていただき展示会の運びとなりました。
多くの方に助けられ、守られていることを実感しました。
開催が決まってからは、天井が高く広い空間をいかに効果的に使い、魅力的に展示するかということを考えました。ジグソーパズルのパズルが埋まってい行くように、いろいろな方との出会いから、家具、陶器の協賛、竹やディスプレイ什器の手配、英語表記のための翻訳、レセプションのお料理やワインの手配・・・などなど、短期間に進んでいきました。
そして、搬入や搬出ではアトリエオルタンシアの生徒さんの自発的な協力も得られました。また、大使館の方々のご理解やご協力にも本当に感謝しております。
レセプションパーティではスウェーデン大使館公使のウルフ・ソールマルク氏ご夫妻がご臨席くださり、暖かなスピーチをしてくださいました。
文化交流は草の根レベルでも必要な事だと、背中を押していただけました。今後も空間装飾デザイナーとして、世界に発信し、文化交流の末端を担いたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
ソールマルク公使ご夫妻も展示を楽しんでくださいました。
着物柄を借景にして、スウェーデンのランドスケープをイメージしました。
テラスで景色を見ながらロッキングチェアに揺らせて本を読むようなイメージ。友人の塩島美弥さんのスウェーデン織のストールをチェアにそえました。
江戸時代の武家女性が着た着物の柄をこの季節の紅葉にあわせて。着物脇に置いたEAMSのワイヤーテーブルはかつて、チャップリンがお茶会で使用したとのことですので、、野点のシーンを演出。茶花風に生けた花瓶はスウェーデン作家のもの。
着物の文様のに合わせて、EAMSのパーティションを衝立、ベンチを縁台に見立てました。縁台で将棋でもしているようなイメージ。
松竹梅鶴亀文様のおめでたい婚礼の打掛。竹を強調したデザインにしました。日本人の美意識である、物を直視せず、竹林の隙間やすだれの間から見る感性。それを表現しました。竹は3メートル近くのものを千葉の茂原のNPO法人竹もりの里さんに運んできていただきました。
EAMSのビンテージテーブルは金箔。そこにスウェーデン王室御用達のリネン、それもロイヤルウェディングバージョンのランナーをひき、お重に花を生けました。
スウェーデンのガラスメーカーの星形のキャンドルホルダーがキラキラしています。かぐや姫のロイヤルウェディングともいえるでしょうか・・・
江戸の裕福な町人女性が着た、遊び心のある着物。紺地に赤、金、白。
ポップなシーンに仕上げました。金色の梅の樹の力強さを流木で協調。この流木はかつて大変な思いをして養老渓谷で拾ってきたもの。役に立ちました^^
スウェーデン織のタピスリーはスウェーデンに留学経験のある塩島美弥さんのものをお借りしました。その色合いに合わせて、ティーポットに花をいけました。イケアの子供用のチェアに、縮緬の風呂敷を添えて。
研ぎ澄まされたシンプルなデザインは日本の禅の心に通じます。
白と黒を基調に。花はチョコレートコスモス。炭を添えて。
昨年私が京都の珍裂屋さんで出会った江戸時代中期の着物裂を軸に仕立てて壁面にアクセント。藤の柄に合わせて、藤蔓を巻き、そこに蘭のシャリーベイビーをあしらいました。軸の下に生けた陶器はスウェーデン作家のもの。時空を超えた融合です。
2012年 10月 02日
「雅とモダンデザインの出会い」展
アトリエオルタンシアを始めて25年目の今年、生徒さんと一緒に、記念の展示会を開きました。今私が感じている、現代に生きる日本人の感性を発信したいという思いから、18世紀から20世紀にかけての着物とコラボレーションしました。着物の柄からインスパイアされたフラワーアレンジメントをデザインしました。
ギャラリー5610は南青山にある、ハイセンスなギャラリーです。展示作品の審査もあります。トータルプロデュースを私が責任を持って行うことで、快くOKをいただきました。
27日朝9時から搬入と作成。一部は前日に作成してありました。車3往復で運び込みました。
19世紀の武家女性が来た小袖。着物を借景にして、滝の流れの模様を強調したアレンジを作成しました。白樺も添えて、北欧の野原のように見立てました。
涼しげな絽の着物。裾に秋草の刺繍。そこで、水辺の涼しげなアレンジにしました。思い切って白とグリーンだけ。
昭和初期の着物。柄にバラや鳥があり、アールヌーボー調。地模様はアールデコ調。
19世紀の松竹梅鶴亀柄の打掛。
竹を強調したアレンジメント。竹を千葉の茂原から調達し、竹林のように立てました。ギャラリーの中に異空間ができました。竹の隙間からのぞくことによる美しさを体感していただきました。これは日本の美学。
昨年、一人で京都を旅した時に、珍裂屋さんで出会った江戸中期の着物裂。武家女性の着物だったもの。それを知人の東口さんに軸にしていただき、かすかな風にも揺れる京都町屋の暖簾のような風情にしました。柄の藤にあわせて、藤蔓のリースを作り、紫色のらん、シャリーベイビーを差しました。
軸の後ろには、見えかくれするように置いた一輪挿し。直接見せない日本の美学。
19世紀の振袖。赤い力強さに負けない、ディスプレイ。テーブルランナーに使用したのは祖母の昼夜帯。リバーシブルになっています。
私が数年前に京都で見つけた江戸時代の大名が使っていたオランダからのテーブルクロス。ロイヤルコペンハーゲンの花瓶に花束風に。切子のグラスを添えて。
裏千家の先生をなさっている生徒さんにはお茶を生かしたアレンジメント。ロイヤルコペンハーゲンのティーポットに茶花風。
これも私が京都で見つけた19世紀の袱紗。イケアの額にいれたら、モダンになりました。
帯に合わせたデザイン。ガラス窓越しに外からも見られるデザインにしてあります。帯にリズムをつけてディスプレイしました。
初日のレセプションパーティには80名以上の方がお集まりくださいました。友人の植田明美さんが経営するありがとうカフェによる美味しいオードブルとワインで楽しいひと時となりました。心配していた雨、風もまったくなく、きれいな月が見えていました。本当に感動的な夜でした。
大勢の方々にご協力いただき、応援いただき、展示会は終了しました。本当に感謝です。
生徒さんとの記念写真もいい思い出です。
これからもオルタンシアとして、感性に訴える花を活けていきたいと思います。
ギャラりー5610のブログにも掲載してくださっています。
2011年 10月 01日
アートフラワーアレンジ
最近、アートフラワーアレンジの需要が多くなったように思います。アートフラワーの質が向上したせいもあるかもしれません。
私のお店には、アートフラワーのアレンジを置いていますが、お客様や生徒さんが生花と間違えることがよくあります。
ただ、生きている生花の醸し出すエネルギーにはかないません。
しかし、アートフラワーアレンジを、偽者の花、と見るのではなく、インテリア小物、あるいはオブジェとして見るのが
いいと私は思います。
絵画の花は生きてはいませんが、人に癒しや感動をあたえます。それと同じように、アートフラワーのアレンジも、人の心に働きかけることができると思います。
私のフラーショップの近くの某自動車メーカーのショールームにお勤めのT様。送別用の花束などをご注文いただき、長年のお付き合いです。
そのT様が私の作ったアートフラワーアレンジメントを気に入って下さり、ご自宅に飾っていらっしゃいます。
お写真をいただきました。
「玄関を入るとすぐに目に入り、癒される」とおっしゃて下さいます。 お仕事なさっているので、「日中締切でも枯れないし(笑)」と。
長く愛される絵画のように、私の作品も長く愛されるように心を込めて作ろうと思います。
6月にパリで行われた久石譲氏のチャリティーコンサートの会場で、私が「日本再生」をイメージして作った作品もアートフラワーです。素材はアートフラワーでも
作り手の感情や感性を表現することはできると思います。
生花と同様にアートフラワーのアレンジも好きです。
2011年 8月 16日
証券会社へお嫁に・・・
アトリエオルタンシアのホームページのフラワーディスプレイのページをご覧になってお問い合わせをいただきました。
BMWショールームに飾った生花のアレンジのように、アートフラワーで作ってほしいとのことでした。
生花の花材とアートフラワーの花材をすり合わせて、ほぼ同じように作ることができました。
大和証券の大阪某支店。新規オープンなのでしょうか。施工・内装を担当する会社からパース画もいただき、
カウンター正面の赤いロゴ「大和証券」の真下に置くアレンジメントです。ロゴに被らないように高さは80センチ。
耐震を考え、ベースや全体の重さにも注意が喚起されました。今の日本ではこのような配慮も大切ですね。
大阪の証券会社で多くの方の目を和ませてほしいですね。
2011年 7月 01日
フランスへの発信
震災後、何かが変わった日本人の心。それを表現したいな、と思っているうちに、ビッグなチャンスをいただき、6月23日にパリでおこなわれた久石譲さんのチャリティーコンサート会場のエントランスでディスプレイをさせていただきました。
日本から持ち込む大量の資材。今回のディスプレイはアートフラワー。
おまけに渡仏直前にパリのプロデューサー杉山さんから電話が入り、展示スペースが1メートルの高さで、2メートル四方の板を隠さなくてはならにという情報。足元は苔をイメージしていましたが、その資材を買いに行く時間もなく、近所のDIYのお店で人工芝を4メートル買いました。それもさらに増えて、追加料金でJALのおなかに。でもパリの空港にはお迎えが来てくださり、ホテルまでは大型のタクシーで苦労なく行けました。
パリの近代都市空間にあるコンサート会場はモダンな造り。
今回のポスターである、黒田アキさんの作品がよく似合います。黒田さんはパリで長年活躍されている方。パレロワイヤルの裏手に大きな壁画があります。
コンサートの開場は19時。20時開演。
私は16時から17時過ぎにかけて作成しました。
スペースが広いので、足元にあしらう帯を2本にしました。
コンサートホールからはゲネプロの音楽が聞こえてきていました。
完成!箱根浅間神社で見た、大地から天にまっすぐ伸びる木のパワーを表現したいと思っていました。
その力強さを感じていただけるでしょうか。
19時の開場時間となると人々が押し寄せてきました。4000人が集まりました!!
黒田さんのポスター、私の作品の前は、募金やチャリティーのTシャツ販売の拠点となっていました。
コンサートは日本と違って、初めからヒートアップ気味。フランスでの久石譲人気はすごいものです。
途中、日本の震災の映像、それに立ち向かう人々の笑顔などの映像もあり、私も隣のフランス人もハンカチで目をぬぐっていました・・・・
フランスで、日本の再生を表現できたこと、私にとって大きな財産となりました。
この作品は、一夜にして撤去し、資材はフランスで保管されています。
今後企画されている、フランス5都市を巡回する日本の震災写真展の会場でもディスプレイするという案もいただいています。多くの方々見ていただきたいとおもっています。
2011年 6月 24日
久石譲さんチャリティーコンサート@パリ
昨晩パリで行われた久石譲さんのチャリティーコンサートは四千人の入場者があり、熱狂的な雰囲気でした。東京で聞いた時とは全く違い、世界の久石譲!を目の当たりにしました。プロデューサーの杉山さんにいただいた、とてもいい席で鑑賞させていただきました。会場のエントランスにはパリで活躍する画家の黒田あきさんのポスターと共に、私のディスプレイをさせていただきました。日本の震災以降、私が感じ、また、願う、日本の再生を表現しました。私の作品コンセプトやテーマの看板も出していただきました。フランス語訳にしてくれた友人の藤野りこさん、パンフレットや看板をマックで作ってくれた三島かっこちゃん、作品制作のアシスタントをしてくれた杉山久美さん、他、色々な方の応援、協力に感謝しています。一夜明け、今はリュクサンブール公園を眺められるカフェにて、ブログをアップしています。コンサート後 撤去したアレンジを再び飾る事ができることも念じています。何か巡り合わせがありますことを。
2011年 5月 26日
IL DIVO そしてJoe Hisaishi
友人のかっこちゃんが主催したイル・ディーヴォの会はとても和やかで、そして、震災のチャリティーイベントとしても素晴らしいものでした。
かっこチャンがファンであるイル・ディーヴォの事をブログで綴っていたところに多くの仲間が集まり、今回の企画になりました。
初めての顔合わせでしたのに、皆さん優しい心持の方々のようで穏やかな時がイルディーヴォの歌声と共に過ぎていきました。
会場になったサロン・ラ・アンジェのスタッフ、お食事を総て担当したkemiさん、素晴らしい音響の波動スピーカーを提供してくださった方、そしてお花担当の私を含めそれぞれが自分のできる事をして、すべてが調和し、幸せの時を作りあげたと思います。
アンジェの石井めぐみさんのブログはこちら。
かっこチャンにメンバーそれぞれのイメージのバラを飾り、それを参加者のお土産にしたい、というリクエストをいただきましたので、スペイン、スイス、アメリカ、フランスの彼らのイメージのバラをチョイスし、それを使ったテーブルデコレーションをしました。
21名が4卓に分かれて座りました。
スペイン、カルロスは赤バラローテローゼ。ダリアでアクセント。
ニューヨークのデイビットは淡いピンクのリメンブランスをガラス器にモダンに。
フランスのセバスチャンは、その名もシャンパン。パリで買ったタッセルをテーブルのアクセントにしました。参加者の方が書いてくださったブログ。私のお気に入りのタッセルに注目してくださっています。
日本をイメージしてシルバーにペイントした竹に」紫陽花のアートフラワーをいけました。
楽しかった催し物も終わり、いよいよ6月23日パリでの久石譲さんのチャリティーコンサート会場でのディスプレイに向けて準備を進めています。
2011年 1月 26日
シルバーの引き寄せ
友人のEさんが行きつけのもうひとつのフレンチレストラン、南青山にあるフロリレージュFlorilegeで1月早々にお食事をしました。
こちらのレストランも素晴らしいオーナーシェフがいらしゃい、予約がなかなか取れない人気のお店です。
お料理はシェフにお任せのコースで、目で見てインパクトを与えられ、舌で味わい、香りを楽しむそんな楽しみがありました。
マネージャーさんやソムリエさんとのフレンドリーな会話もよりいっそう居心地の良いものにしてくれていました。
最後のデザートが終わったときは、私たち二人だけになっていて、シェフ、マネージャー、ソムリエさんとお話する機会もありました。
私が「花の仕事をしているんです」というと、
なんと、すぐ、「ドアのリースを作ってくれる人を探しているんです」というお話が。
シンプルな白い入口のドアの横にはお店のロゴがあり、そこにリースを掛けたいとの事。
「どのようなイメージがいいでしょうか?」ときくと
「お店のロゴがシルバーとピンクですから、それに合わせて。」
私はシルバー!!!とびっくり。
それは私のラッキーカラーがシルバーだと言われたばっかりだったからです。
まあなんて素敵な偶然でしょう。ちょっとご縁を感じました。
そして出来たのがこのリース。
ナチュラルな蔓のリースをシルバーに色をつけました。
そして、テーマのマゼンダ色のお花だけを内側にリース状にしました。
それから、店内にはあまりお花を置かないとの事ですが、唯一飾ってあるカウンターの上のプリザーブドフラワーがだいぶいたんでいましたので、新しいアレンジメントをご提案しました。
Eさんがプレゼントしたポアンタラリーニュのシルバーのキャンドルとのコラボレーションです。
月や星の光をイメージするシルバー。私にとってラッキーカラーですね。